KINTO(キント)は、トヨタが提供するサブスクリプションで、長期契約の車レンタルサービス(カーリース)です。
月々定額でトヨタまたはレクサスの新車に乗ることができ、この料金の中にはメンテナンス代や税金等に加え、通常は個人で契約する任意保険が含まれています。
若い人ほど料金が高い任意保険が、KINTOでは低料金でセットになっていることから、10代や20代の人は特にお得です。
ここでは、KINTOの特徴や注意点、サービス利用をおすすめできる人/できない人について解説していきます。
KINTO(キント)とは?
KINTOは、2019年に登場したトヨタが提供するサブスクリプションサービスです。
このサービスは、トヨタ車を一定期間(3年/5年/7年)レンタルするもので、月々定額で最新の衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備がついた新車をマイカーのように使用することができます。
この定額料金の中にはガソリン代や駐車場の料金を除く、車の維持管理に必要な下記の費用が全て含まれています。
- 車両代金(購入時のオプション含む)
- 登録諸費用
- 自動車税等の税金
- 自動車保険(車両保険を含む任意保険、自賠責保険)
- メンテナンス費用(オイル・タイヤ・バッテリーなどの消耗品、車検、故障修理、台車等)
例えば、KINTOでヤリスクロスを7年で契約した場合、月々21,010円とガソリン代、必要に応じて駐車場の料金のみで維持することができます。
KINTO(キント)の取り扱い車種
2023年1月20日時点で選べる車種は、下記のモデルです。
カテゴリ | 車名 | 価格 |
コンパクト | ルーミー | 月額 14,740 円〜 |
ヤリス | 月額 14,960 円〜 | |
パッソ | 月額 15,730 円〜 | |
アクア | 月額 19,910 円〜 | |
カローラ スポーツ | 月額 21,120 円〜 | |
セダン | プリウス | 月額 16,610 円〜 |
ワゴン | カローラ ツーリング | 月額 18,260 円〜 |
SUV | ライズ | 月額 16,280 円〜 |
ヤリス クロス | 月額 21,010 円〜 | |
RAV4 | 月額 31,130 円〜 | |
クラウン | 月額 48,070 円〜 | |
bZ4X | 月額 106,700 円〜 | |
ミニバン | ノア | 月額 19,910 円〜 |
ヴォクシー | 月額 22,660 円〜 | |
シエンタ | 月額 24,640 円〜 | |
レクサス | UX | 月額 47,850 円〜 |
IS | 月額 93,500 円〜 | |
ES | 月額 111,100 円〜 |
モデルチェンジ等の改良が予定されていそうな車種やランドクルーザー等の注文にも制限がある車種はKINTOの対象から除外されているようです。
また、車種によって取り扱っているグレードが厳選されており、エントリーモデルのXグレードなどは除外されているケースがあります。
KINTO(キント)はお得? 現金一括と自動車ローンとの比較
KINTOを検討するにあたり、1番気になることが料金だと思います。
ヤリスクロスのG GAS 1.5L 2WD(5人)を5年契約で比較してみましたので、年齢と等級で確認していきましょう。
21歳未満/6S等級
KINTO | 現金一括 | 自動車ローン | |
A:車両代・オプション代 | 含む | 2,048,600 円 | 2,048,600 円 |
B:税金・諸費用 (自賠責・自動車税等) | 含む | 323,350 円 | 323,350 円 |
C:任意保険・メンテナンス ・車検1回 | 含む | 1,369,300 円 | 1,369,300 円 |
D:分割払い手数料等 | 含む | – | 270,973 円 |
E:5年後の下取り参考価格 (残価率30%程度) | – | 614,580 円 | 614,580 円 |
F:お支払い総額(5年) A+B+C+D-E | 2,475,000 円 | 3,126,670 円 | 3,397,643 円 |
G:月々のお支払い額 F÷ 60ヶ月 | 41,250 円 | 52,111 円 | 初回:58,243 円 2回目以降: 56,600 円 |
26歳以上/14等級
KINTO | 現金一括 | 自動車ローン | |
A:車両代・オプション代 | 含む | 2,048,600 円 | 2,048,600 円 |
B:税金・諸費用 (自賠責・自動車税等) | 含む | 323,350 円 | 323,350 円 |
C:任意保険・メンテナンス ・車検1回 | 含む | 800,400 円 | 800,400 円 |
D:分割払い手数料等 | 含む | – | 270,973 円 |
E:5年後の下取り参考価格 (残価率30%程度) | – | 614,580 円 | 614,580 円 |
F:お支払い総額(5年) A+B+C+D-E | 2,475,000 円 | 2,557,770 円 | 2,828,743 円 |
G:月々のお支払い額 F÷ 60ヶ月 | 41,250 円 | 42,630 円 | 初回:49,843 円 2回目以降: 47,100 円 |
50歳以上/20等級
KINTO | 現金一括 | 自動車ローン | |
A:車両代・オプション代 | 含む | 2,048,600 円 | 2,048,600 円 |
B:税金・諸費用 (自賠責・自動車税等) | 含む | 323,350 円 | 323,350 円 |
C:任意保険・メンテナンス ・車検1回 | 含む | 662,300 円 | 662,300 円 |
D:分割払い手数料等 | 含む | – | 270,973 円 |
E:5年後の下取り参考価格 (残価率30%程度) | – | 614,580 円 | 614,580 円 |
F:お支払い総額(5年) A+B+C+D-E | 2,475,000 円 | 2,419,670 円 | 2,690,643 円 |
G:月々のお支払い額 F÷ 60ヶ月 | 41,250 円 | 40,328 円 | 初回:47,443 円 2回目以降: 44,800 円 |
シミュレーションの結果から、『C:任意保険・メンテナンス・車検1回』の費用が年齢と等級によって大きく違うことがわかります。
メンテナンスや車検費用は年齢や等級によって変わることはありませんが、任意保険は違います。
免許を取得したばかりの若い人たちが初めて任意保険を契約した場合、等級は6Sから始まり、運転経験が豊富な20等級の人と比べて保険料が高くなります。
【保険料の割増引率】※無事故の場合
・6S等級(初めての契約) ⇨3%割増
・14等級 ⇨52%割引
・20等級 ⇨63%割引
そのため、若い人はKINTOを利用することで支払い総額を抑えることができ、お得になります。
一方、35歳以上で等級が高い人は現金一括で購入する方が支払い総額を抑えることができます。
KINTO(キント)のメリット
KINTOのメリットについて紹介します。
- 頭金や車検、税金を気にせず毎月定額で新車に乗れる
- みんなが乗れて事故による保険等級のダウンも無い
- 納車が早い
- 定期的に乗り換えが出来る
頭金や車検、税金を気にせず毎月定額で新車に乗れる
車を購入しようとすると、頭金や初期費用などを準備することになりますが、 KINTOは月々決まった料金を支払うシステムのため、最初にまとまった資金を準備する必要はありません。
また、オイルやタイヤなどの消耗品交換や車検代、毎年の税金も含まれているので、期間を通して車にかかる費用が一定です。
あらかじめ、料金が決まっていると家計管理をする点でも助かりますね。
みんなが乗れて事故による保険等級のダウンも無い
車を購入したり他社のカーリースを利用する際は、個人で任意保険に加入する必要がありますが、KINTOには東京海上日動の保険がセットになっています。
この保険には、車両保険に加え事故や故障時のロードアシストやレンタカーなども含まれています。
免許所有であれば友人や家族も保険が適用されるため、車を運転できる人に制限が無く、みんなで使用することも出来ます。
また、事故で任意保険を使用すると通常、等級がダウンしてしまい保険料が割増となりますが、KINTOの場合は割増がなく月々の料金も変わりません。
納車が早い
現状、コロナ感染の拡大や世界的な半導体部品不足によって車の生産が遅れています。
ディーラーで新車を注文しても6ヶ月以上の納車待ちが大半となっており、1年以上や未定の車種もあります。
KINTOでは、納車に6ヶ月以上かかる車種でも1.5~2ヶ月程度と短期間で納車されるものもあり、ディーラーでの新車購入と比べて全体的に納期は短く設定されています。
入社や転勤など、早期に車が必要な方には非常に助かります。
定期的に乗り換えが出来る
KINTOは3年/5年/7年で契約するため、使用期間中に新しいモデルが発売されたりライフスタイルの変化によって乗りたい車も変わるかもしれません。
このような場合、初期フリープランでは「のりかえGO」を利用することで別の車に乗り換えることが出来ます。
乗り換えは3年契約なら1.6年経過後、5年/7年は3年経過後から可能となり、契約年数と経過タイミングにもよりますが1ヶ月から最大6ヶ月分の定額料金を支払うことで新しい車に乗れます。
KINTO(キント)のデメリット
KINTOのデメリットについて紹介します。
- トヨタまたはレクサスの一部の車種に限定される
- 契約期間中の解約には費用がかかる
- 車内での喫煙、ペットの乗車、改造等のカスタムが出来ない
- 任意保険の等級を引き継げない
トヨタまたはレクサスの一部の車種に限定される
KINTOはトヨタが提供するサブスクリプションのため、日産やホンダなどの車は取り扱っていません。
また、トヨタが販売しているハイエースやランドクルーザー、軽自動車などの一部車種も、現状のラインナップに存在しませんのでKINTOを利用しての所有ができません。
もし、ラインナップに無い車種や軽自動車を希望する場合は、ディーラーで購入するかKINTO以外のカーリースを利用することをおすすめします。
契約期間中の解約には費用がかかる
KINTOは3年/5年/7年の期間契約が基本となりますが、車を所有する必要がなくなった時などは途中解約が可能です。
ただし、あらかじめ期間を決めて契約しているため、解約金を支払う必要があります。
解約金は契約月数によって金額が異なり、3年契約の18ヶ月時点で解約すると3ヶ月分の定額料金を支払う必要があります。
契約時点で期間満了まで乗る予定がない人は、解約金フリープランを選択するのもありでしょう。
車内での喫煙、ペットの乗車、改造等のカスタムが出来ない
KINTOは契約が満了となった時点で車を返却するシステムです。
返却した車は中古車として再販されるため、車の価値が低下する車内での喫煙やペットの乗車、車の性能や機能が変化する改造等は禁止されていますのでご注意ください。
任意保険の等級を引き継げない
KINTOは任意保険がセットとなった商品です。
初めて車を所有する方には関係ありませんが、既に車を所有している方が乗り換えのためにKINTOを契約した場合、既存の任意保険は使用できません。
割引率が高い任意保険を契約している方は、保険会社に中断する旨を伝え、KINTOとの契約が満了となる時まで保険を維持しておくことが良いでしょう。
KINTO(キント)の注意点
KINTOを利用するうえでは、下記のことも注意しておきましょう。
- 契約には保管場所(駐車場)が必要
- 車の返却時に査定がある
契約には保管場所(駐車場)が必要
KINTOを契約するためには車庫証明を取得できる保管場所(駐車場)が必要です。
車庫証明とは車の保管場所を確保していることを証明するもので、車を所有するうえで必要な書類です。
自宅に車を保管するスペースがあれば車庫証明は取得しやすいですが、スペースがない場合は半径2km以内に契約者名義で保管場所(駐車場)を契約し、車庫証明を取得する必要があります。
車庫証明の取得に関しては、契約締結後に販売店が代行してくれます。
車の返却時に査定がある
KINTOは契約期間が終了と同時に車を返却するシステムになっています。
返却時には車の状態を確認する査定があり、外装や内装の状態をチェックします。
日常使いで付いてしまうような1cm程度のキズや凹みは修理の請求対象とならないようですが、ぶつけたり擦ってしまったキズや凹みなどは修理の対象となります。
また、走行距離には制限があり1ヶ月あたり1,500km、3年契約では54,000kmを超えると1kmあたり11円(レクサスは22円)を返却時に支払う必要があります。
KINTO(キント)をおすすめできる人
KINTOの利用をおおすめできる人を紹介します。
- 年齢が若い人や等級が低い人
- 家族や友人と共有したい人
- 就職や転勤、結婚などのイベントを控えている人
年齢が若い人や等級が低い人
車を所有するうえで必需品の任意保険は、年齢が若い人(特に18歳から25歳まで)ほど高いです。
KINTOは誰でも同じ金額で車を利用できるうえ、割引率の高い任意保険が付帯されていますので保険料の高い若い人ほどメリットがあります。
【保険料の割増引率】※無事故の場合
・6S等級(初めての契約) ⇨3%割増
・14等級(8年間 無事故) ⇨52%割引
・20等級(14年間 無事故) ⇨63%割引
さらに、使用者の年齢や免許証の色によっても割引率が違うため、18歳から25歳までは特に保険料が高いです。
また、事故によって保険を使用すると3等級ダウンしますので、若い人と同様に等級が低い人にもおすすめできます。
家族や友人と共有したい人
KINTOに付帯している任意保険には、使用者の制限がありません。
そんため、契約した車は家族や友人などの免許所有者であれば運転ができるため、通勤や通学、買い物に旅行などにも使えて便利です。
もし、個人で任意保険を契約し使用者に制限を設けないと保険料は高額になりますので、込み込みの
KINTOはお得でしょう。
就職や転勤、結婚などのイベントを控えている人
車は住居地域や職業、家族構成によっても必要性が変わります。
例えば
大学生:「地方の大学に進学するため、交通手段として車が必要。でも数年後の就職先は車が必要ない都心を予定しているから買うのはもったいない。」
社会人:「転勤先は車があった方が便利だな。手続きも楽で早く乗れる車は無いかな。」
社会人:「そろそろ結婚も考えたいけど、色々とお金が掛かるよね。車も購入するとなると高額な出費だから月々の費用は抑えたい。」
様々なライフイベントにあわせて、車は購入ではなく借りるを選択するのも良いでしょう。
KINTO(キント)をおすすめできない人
- 35歳以上で等級が高い人
- 自分の車として所有したい人
35歳以上で等級が高い人
KINTOは年齢や等級による料金変動が無いため、保険料が高い若い人などにおすすめできる一方、保険料が安い35歳以上の人にはメリットが少ないため、あまりおすすめはできません。
ただし、数年程度の利用であれば車を所有するための手間と価格のバランスが取れると思いますので検討の余地はあります。
自分の車として所有したい人
KINTOは車を購入するのではなく借りるシステムのため、契約期間が終了したら車を返却しなければなりません。
それゆえ、カスタムやペットの乗車などの制限もありますし、愛着が湧いても手放さなくてはなりません。
やっぱり自分の車として所有したい人は、購入が良いでしょう。
KINTO(キント)はお得?他社との比較
KINTOは他社のカーリースと比べてお得なのか、3車種を5年契約で比較してみました。
ルーミー X(ガソリン) | ヤリスクロス G(ガソリン) | アクア G(ハイブリッド) | 特徴 | |
KINTO | 36,300 円 | 41,250 円 | 45,540 円 | 任意保険が付帯 |
リーズナブル | 35,200 円 | ※37,400 円 | 44,000 円 | 価格が安い |
SOMPOで乗ーる | 39,610 円 | 43,680 円 | 46,760 円 | 外車も選べる |
定額カルモくん | 37,839 円 | 49,840 円 | 49,939 円 | 長期契約が可能 |
コスモMyカーリース | 33,670 円 | 45,650 円 | 51,260 円 | 国産全車種対応 |
MOTAカーリース (4年目以降) | 53,350 円 (44,110 円) | 59,620 円 (50,380 円) | 64,240 円 (55,000 円) | 車がもらえる |
・KINTO以外は別途、任意保険の加入が必要
東京海上日動火災保険でKINTOと同等の保険に6S等級で加入した場合、
ルーミーは月額25,360円、ヤリスクロスは月額24,160円、アクアは月額24,830円の費用が加算される
※リーズナブルではヤリスクロスG(ガソリン)の設定がないため、Z(ハイブリット)を選択
サービスの利用価格はリーズナブルが安い傾向にありますが、KINTO以外は自分で任意保険に加入する必要があります。
若い人や等級の低い人は任意保険の料金が高いため、KINTOを利用した方がトータル的に安くすみます。
KINTO(キント)の申し込み
KINTOは申し込みから契約までWebでも可能です。
まだ決めた訳でもないし、お店に行くのはちょっと…という人や、好きな時間に手続きしたい人にはピッタリです。
まずは無料の審査から
申し込みは18歳以上で免許を持っている方なら可能ですが、契約するためには事前審査があります。
審査基準の詳細は明らかにされていませんが、年収や勤務先、家族構成といった利用者の属性のほか、ローンの借り入れなど信用情報をチェックしていると思われます。
審査の申し込みは無料ですし、3営業日程度で結果のメール連絡がきます。
もし、審査を通過しても契約する/しないの判断はのちほど決めることができますし、1ヶ月以内に契約を締結しなければ自動的にキャンセルとなりますので、気になる方は申し込んでみてください。
収入の少ない学生や主婦の方も利用実績があり、個人の場合は連帯保証人も不要です。
契約した車は、みんなで共有できます。
申し込みに必要なものや情報は以下の通りです。
- 運転免許証
- 住まいの情報(住居形態、居住年数、住宅ローンの有無)
- 家族の情報(生計維持者、配偶者の有無、生計が同じ物の人数と子供の人数、年収、用途)
- 勤め先の情報(職業、名称、住所、電話番号、勤続年数等)
これらをあらかじめ準備しておくと、スムーズに手続きができます。
契約に向けて
審査を通過してから納車までの流れは以下のとおりです。
- 契約の手続き
- 登録書類の準備
- 納車日程の連絡
- 販売店での納車
月々の定額料金の支払い方法はクレジットカード払いと口座振替(自動引落)から選べます。
クレジットカード払いを利用すると、利用料金がポイントで還元されるものが多いのでお得です。
まとめ
KINTOは、トヨタの新車にメンテナンス代や税金、任意保険がセットになった車のレンタルサービスです。
任意保険の料金が高い若い人もお得な価格で利用できるため、10代や20代には特におすすめです。
店舗に行かなくてもWebで申し込みから契約まで出来るため、まずは無料の申し込み(審査)から始めてください。
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